アルパイン・クライミングを快適にサポートする、軽量でバランスのとれたバック・パック

ドイター・ペース36

文と写真・平岡竜石(国際山岳ガイド)

本ページの内容はインプレッション記事のため、使用者個人の感想を含んでおります。

アルパインパックとしての適性に優れたペースシリーズ

多くのギアを背負うことができる堅牢さと軽くて柔軟で体に近いところで荷重バランスが整うペース36はアルパインパックとして完成度の高さを感じた(御在所の岩場にて)

奥深い山の中で行われるアルパイン・クライミングでは、入山から登頂し下山するまで、様々なフィールドで様々なシチュエーションに対応できるバック・パックが必要不可欠です。

入山時は、大量のギアとロープなどの重荷を、長時間に渡って背負える堅牢な背面システムが必要となり、逆にロック・クライミングをする時は、軽くて柔軟で体にフィットする事が重要です。

これらの相反する機能を、高次元で融合させているのがドイター・ペースシリーズです。

ペースシリーズの背面システムに採用されているデルリン®Uフレームは柔軟で、荷物が少ない時は体の動きに追従し、クライミングの動きを妨げません。U字状のフレームにはテンションがかかっていて、荷物を満載すると硬性を発揮し荷重を分散しているようです。多少荷物が重くなっても楽に背負う事ができます。


Deuter Lite System

ドイターライトシステム

ペース36は軽量で使い勝手の良さからついつい手にしてしまう

私がメインに使用しているペース36は容量が36リットルで、1泊2日のアルパイン・クライミングには少し足りないぐらいですが、大型のストレッチ・フロント・パネルには、アイゼン、ヘルメットなどを同時に入れる事ができ、サイドストラップやサイドポケットを使って外に付ける事により、大量の荷物を背負うことが可能です。

全てにおいて軽量化が図られているペース36ですが、ドイターのバック・パックの特徴である快適性、機能性、耐久性は損なわれていません。左のヒップベルトは、大型のギアラックが装備されており、冬にはアイス・アックスを差して使っています。右のヒップベルトは、小物入れになっていて、日焼け止め、リップクリーム、目薬などを入れています。ハイドレーションシステムにも対応し、背面には通気性の良いメッシュパッドが使われいます。

今年2月にPACE36を手に入れて以来、日本の雪山、アルパイン・クライミングからネパール、エクアドル、ペルーの6000mの高所登山など、既に50日以上使用したが、色褪せも無く、もちろん壊れた個所も無い。軽量で使い勝手の良さからテント泊縦走などの普通の登山にも、ついつい使ってしまっている。

フロントパネルの切り替えし部分にはストレッチ素材を使用しているのでヘルメットの収納も可能。ヒップフィンにはギアループやポケットを備えている。


平岡竜石(ひらおか・りゅうせき)

UIAGM(国際山岳ガイド連盟)国際山岳ガイド。高所登山を20年以上登りつづけているベテラン登山家で、これまでヒマラヤのエベレスト、マナスル、チョ・オユーなど、南米アンデスのワスカラン、アコンカグア、チンボラソなどに登頂している。高所登山を専門とする山岳ガイドとしても活躍している。