文句なしのクランポンとアックスに出会った

CT(クライミング・テクノロジー)
ライカン(クランポン)、ハウンドG(アックス)

文・長岡 健一(UIAGM/国際山岳ガイド)

本ページの内容はインプレッション記事のため、使用者個人の感想を含んでおります。
ガイディングには信頼できる道具が必要だ。イタリア工場で作られた製品のこのしっかりとした質感がいい。
ヘキサゴナルシャフトは握りやすさを出し、さらに強度がある構造のため、結果的に軽量な仕上がりとなる。

「クライミングテクノロジー・ライカン」~クランポン(アイゼン)

我々ヨーロッパアルプスを中心としたガイドを仕事としている者は、クランポン(アイゼン)に関して言えば年間最低でも1ペアは消耗してしまいます。それだけ頻度よく使う訳ですから雪用の道具に妥協はできません。
CTのクランポン・「ライカン」は、素材にクロモリ鋼を使用しているとあって、氷に足を置いたときの安定感はさすがと言えます。また歩行に際しても、まるで氷や雪上に吸い付くような感覚をもたらしてくれ、特に50°前後の斜面でのフラットフッティング中心の氷河テクニックではとても安心感があります。全体としてしっかりとした質感のモデルで軽量タイプではありませんが、その分体重を乗せただけで抜群の刺さり具合が得られるクランポンに仕上がっています。
雪上の下りに関しても、堅牢なクロモリ鋼と土踏まず部分にある下り斜面に対し垂直に掛かる歯で、ブレーキ性能を向上させています。

「クライミングテクノロジー・ハウンドG」~アックス(ピッケル)

CTのアックス(ピッケル)・「ハウンドG」は、握りやすさ、重量バランス、氷への刺さりやすさが高次元で実現されています。
また、本格的な登攀に必要な強度を持つ「T」規格のアックスですから、岩場の通過やミックスクライミング時の安心感も高くなっています。
ハウンドGは、ヘキサゴナルシャフトと呼ばれる六角形型を採用していて、とても握りやすく手になじむ構造です。
この握りやすさは同時に安全にもつながると申し上げたいと思います。なぜならば、万が一の滑落の時に初期制動でシャフトを刺して止まらなかった時、制動姿勢に素早く移り、体を安定させることができるからです。
持ちやすさに加え、重量バランスの良さ、熱鍛造で仕上げたというピックの氷への突き刺さり感の良さ等、総合的に見て、今までに出会った中で最高のピッケルです。

CTのクランポンとアックスは、その基本性能の高さとしっかりとした構造により、私のアイスクライミングのメソッドである、無駄に「撃たない、蹴らない、頑張らない」を実践する上で欠かせないものになっています。

岩、雪、氷河といったバリエーションに富んだルートには、クロモリ鋼を採用したクランポンが活躍する。
写真:アイガー/ グリンデルワルト
写真:ダンデジュアン/ シャモニー

長岡 健一(ながおか・けんいち)

UIAGM(国際山岳ガイド連盟)国際山岳ガイド。1954年生まれ 20代より登山を始める。
アルパインクライミングを中心に、ロッククライミング、アイスクライミング、山岳スキー、沢登り、ヒマラヤ等の高所登山などの他、実際の救助活動までオールランドに実践。山岳救助やレスキューのプロでもあり、山岳会や国立登山研修所の救助及び登山技術講師として山岳技術と安全管理を伝え、国内の山岳技術の向上を目指して活動している。アルパインガイドオフィスNAGAOKAを主催。