荷物が重ければ、重いほどフィット感に拍車がかかるバックパック

ドイター・エアコンタクト65+10

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文・写真:森山伸也(アウトドアライター)

本ページの内容はインプレッション記事のため、使用者個人の感想を含んでおります。
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いわずと知れた、ものづくり大国ドイツの国民的パックブランド「ドイター」。そのトレッキング用フラッグシップモデルがこの「エアコンタクト」シリーズだ。

特筆すべき特徴は、なんといっても快適な背負い心地。
不思議なことに装備が重ければ重いほど、厚めのパッドが肩、肩甲骨、腰にフィットして体がブレない。パックの荷重を肩、背中、腰の3カ所へバランスよく分散させ、骨で持つイメージだ。だから背負った瞬間から重さを感じさせず、長く歩いても不思議と疲労が蓄積しにくい。


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細かいポイントを見ていくと、まず大きくて、分厚いヒップベルトが一際目を引く。ここでバックパックの半分以上の荷重を腰骨に預け、無理のない自然な姿勢で安定した歩行を可能にしてくれる。
肩甲骨と腰の間はパッドがあたらない構造なので、風通しがよく、通気性バツグン。さらにいえば、中空フォームを採用した背面パッドは、歩く振動で空気を吸ったり、吐いたりするという。その結果、従来のトレッキング用バックパックに比べ発汗を15%も抑制してくれるのだ。つまり「稜線に出たら風が強い→背中の汗で体が冷える」という心配を解消してくれるというわけ。


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肩甲骨から鎖骨にかけて包み込むショルダーハーネスは、ベルクロ1枚で素早く取り外せて、背面長をスムーズに調整できる。また、新たに加わった「アクティブフィット」という機能は個々の肩幅や肩の角度の違いに関わらずピッタリとフィットしてくれる。老若男女誰が背負っても、パックが持つ機能を余すことなく発揮できる工夫だ。
長く歩いていると疲労が蓄積し猫背になりがちだが、この肩甲骨にあたるパッドがぐいっと押しながらサポートしてくれるので、自然な姿勢で長時間歩くことができた。


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パックの内部は2気室に分かれていて、それぞれのフロントパネルがこのようにU字ファスナーを用いてペロンと開閉できる。このままテントに持ち込めば収納ボックスとなり、装備が散らかることなく、整理整頓がしやすい。
ぼくはボトム部にシュラフ、テント、マット、防寒着などの就寝セットを入れておく。そうすれば、上部の荷物で圧縮してコンパクトになるし、テント場に着いたらすぐにテントやマットを取り出せる。


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ボトムのファスナーを開くと、中にはレインカバーが。これで突然の雨でも慌てることなく防水できる。ポケットの内側は防水性の高い生地なので、濡れたまま収納してもほかの装備を濡らすことはない。
背負い心地よし、使い勝手よし、痒いところに手が届く機能満載と、さすがアウトドアパックを専門とする老舗ブランドの自信作である。
容量サイズも40〜70ℓまでと幅広く展開しているので、山小屋泊からテント泊による長距離縦走まで、さまざまなシチュエーションでヘビーローテンション間違いなしのパックとなるだろう。


photo森山伸也(アウトドアライター)
1978年新潟県三条市生まれ。北信の豪雪地に住み、山にどっぷり浸った生活を送る。著書に『北緯66.6°ラップランド歩き旅』(本の雑誌社)がある。