アウトドア⽤品を⻑持ちさせながら保管・収納するためのコツ

アウトドア⽤品には私たちを夢中にさせる何かがあります。確たる設計⽔準に基づき、そしてギアに込められた思いにより機能性の⾼いものや⼿に馴染むようなアイテムが⽣み出されます。優れたデザインには唯⼀無⼆な、ある種の美学があります。だからこそ私たちはギアの虜になってしまうのでしょう。

また、⻑く使えば使うほど、道具には傷が刻まれ、その傷と共に思い出や体験が増えていきます。そうして単なる道具から、 これからの旅や冒険をともに乗り越え、楽しむ相棒に成⻑していくのです。

最⼩限のスペースでも、⼯夫次第でアウトドア⽤品をきちんと収納することができます。

アウトドア⽤品を⻑持ちさせるために⼀番効果的なのは、とにかくよく使ってあげることです。

⾃然の中に⾝を置くことは、⾃⾝のリフレッシュにつながるのはもちろんですが、それだけではありません。ギアを⼤事に⼤事に収納ケースの底に何ヶ⽉もしまったままにしてしまうと、しわくちゃになってしまいます。しかし、使ってあげれば換気もできて、変なシワが寄って摩耗することも防げます。このように、定期的な使⽤はアウトドア⽤品を⻑持ちさせるためにも必要なことなのです。

とはいえ、毎週のようにキャンプやアクティビティに出かけるのもなかなか難しい…。では、どうすればいいのでしょうか？きれいにメンテナンスをして、しっかり乾燥させた状態で収納しておくことが⼤切です。

いろいろな⽅法でアウトドア⽤品を整理する⽅法があります。例えば、専⽤のロフトや整理棚を準備したり、⼩さい押⼊れやクローゼットを使いやすくDIY、あるいは収納ケースを上⼿に使ってスタッキングするなど⼯夫次第できちんと収納することはできます。ただひとつだけ注意したいのは乾燥させることです。収納したキャンプ道具に湿気がこもらないようにするのが⾮常に重要です。

できるだけキレイに、湿気のない状態で保管することで、アウトドア⽤品をより⻑持ちさせることができます。キャンプ道具を⻑持ちさせるためのメンテナンス⽅法をカテゴリ別にご紹介していきます。

シュラフ
シュラフを洗濯機で洗う場合、シュラフ専⽤の洗剤を使⽤し、ドライコースを利⽤して洗いましょう。⽬に⾒える汚れはない場合でも汗や⽇焼け⽌めクリーム、⾍除けスプレーなどが付着していると⽣地を傷める原因になりますので、定期的なメンテナンス(洗濯)が重要です。また、乾燥機を使⽤する場合、シュラフの中にテニスボールを⼊れて乾燥させるのがおすすめ。中綿やダウンが均等に⾏き渡るので、ふんわりとした仕上がりにできます。他のアイテムも同様ですが、完全に乾燥させた状態で収納しましょう。

スリーピングパッド
スリーピングパッドは寝袋や他のアイテム⽐べて、ダメージが⼊りやすく汚れやすいアイテムです。洗う際にはぬるま湯と中性洗剤を準備し、⼿洗いで優しく洗っていきます。洗い終わったらしっかりとすすいで乾燥させましょう。

テント
⾬での泥はねがテント汚れの第⼀位。基本的には⾃宅でホースやシャワーでさっと⽔洗いすれば、キレイにできます。ただ、松ヤニや⾷べこぼしのような泥以外の汚れの場合は、洗剤を使って洗いましょう。シュラフ同様、テント⽣地に負担をかけないように専⽤の洗剤を利⽤してください。あとはしっかりと乾燥させればOKです。

バーナー
どの燃料を使⽤するバーナーであっても、吹きこぼれによる汚れは必ずきれいに拭き上げてから保管しましょう。次に使う際に⼿が汚れたりする⼼配がないだけでなく、故障などのトラブル回避につながります。お使いのバーナーの取扱説明書を参照し、適切な⽅法で清掃してください。

バックパック
バックパックも時折メンテナンスをしてあげましょう。ぬるま湯と⽯鹸を使って汚れを落としたら、⽯鹸が完全に落ちるまですすぎます。その後しっかりと乾燥させたら、ジッパーにシリコン性の潤滑油を塗っておくとよりよいでしょう。特に、海辺での使⽤後などはジッパー部分のかみ合わせに注意が必要です。

ブーツ
ブーツは特に定期的なメンテナンスが重要なアイテムですが、使⽤されている素材やその機能性によってメンテナンス⽅法が変わります。中でも天然⽪⾰を使⽤したブーツの場合、注意が必要です。⾰のしなやかさと防⽔性を保つ保湿性の⾼いワックスが合うブーツもあれば、通気性を妨げない、軽量で科学的な撥⽔剤が合うブーツもあります。間違ったものを選ぶ前に、必ずブーツの素材や取り扱いについて確認した上で⾏いましょう。⼀般的には、ホコリや汚れをブラシで落としてから、ワックスや撥⽔剤などを塗布しなじませ、直射⽇光を避けて乾燥させます。

ハイドレーション類
ブラダーやフィルターなどの⽤品は常に⽔に濡れた状態となっているため、洗浄後の完全乾燥が⾮常に重要になってきます。洗剤を溶かしたぬるま湯に漂⽩剤を1滴だけ垂らし、すすぎ洗いをします。充分に乾燥させたら、カビが⽣えないように冷蔵庫など涼しく乾燥した場所に保管するのがおすすめです。

お気に⼊りの収納ケースは⼈によって様々ですが、どのケースも湿気からギアを守るのに効果的です。

1. ギアを分類する

キャンプやアウトドアアクティビティにおいて、デザイン性の⾼いアイテムやギアを集める楽しさがあります。しかし、様々なアクティビティを楽しむにつれて、いくつかのアクティビティでマルチに使える道具や、ひとつの遊びに特化した道具を集めるようになります。（煩雑を極めるまで時間はそうかかりません）そして、それらがゴチャゴチャな状態で無造作に保管されるようになってしまうのはよくあることです。そこで、まず「バックパッキング」や「フィッシング」などの特定のアクティビティから、「料理」や「エマージェンシー」のようなアクティビティを超えて必要なアイテムまで、カテゴリー分けをしてみましょう。

2. 収納ケースを使って⾃分だけの収納システムを作る

全てのアイテムを整理できたら、次は収納に使うケースやコンテナを準備します。数年もしないうちにもっとたくさんのギアを集めることになるでしょうから、それを⾒越して拡張性のある収納を考えておくとよいでしょう。収納ケースやコンテナは⼤きさ、⾊、使⽤されている素材によって本当にたくさんの種類のものがあり、⾃分の環境（収納場所のサイズや道具の数など）に合わせて選びましょう。ケースやコンテナに収納することで、紫外線によるデリケートなUL装備や撥⽔加⼯へのダメージをカットすることができます。また、カテゴリー別に整理した道具をラベル付けしたケースに収納し、使⽤頻度順で並べると、アイテムを探しやすくなり⼿間も省けます。⾊違いのケースを使⽤してより分かりやすく整理する⽅法もあれば、同⾊のケースだけを使い整然と積み上げてミニマリストのようなおしゃれな雰囲気に整理する⽅法もあります。

3. 棚を重ねたりユニットを増やして拡張性のある収納⽅法を考える

整理棚を利⽤する場合、⼀番上の棚にはわざわざ収納ケースに⼊れるまでもないアイテムを置くと良いでしょう。ケースに⼊れてしまうと⾒つけにくい⼩物類も良いかもしれません。ユニット型の整理棚を使⽤する際は、棚だけでなくユニットごと追加できるものだと道具が増えても安⼼。キャスター付きのものを選ぶと使い勝⼿がよくなります。

4. テント、バッグ、パッドは吊るして保管しよう

テントはスタッフサックには⼊れずに保管するのがおすすめです。ゆるく巻いてしまうか、紫外線が当たらない乾燥した涼しい場所に吊り下げて保管するといいでしょう。スリーピングパッドや寝袋はスタッフサックから出して垂直に吊るすことで、断熱素材や中綿の偏りによる性能低下を防げます。なお寝袋を吊るす際、そのまま吊っても、メッシュ素材のバッグに⼊れて吊ってもどちらでも⼤丈夫です。中綿をふわふわに保てるので、暖かさを保てます。

エアマットやセルフインフレータブルマットは膨らませたままシュラフのように吊り下げて保管しておくと良いでしょう。膨らませた状態が重要なので、吊り下げられなければ、ベッド下の隙間に敷いておくのも保管⽅法としてはアリです。

アウトドア⽤品をケアするために⼀番⼤事なことは
・きれいに整理しておくこと
・できるだけ使ってあげること
の2点です。
⻑期間使う予定がない場合は、たまに棚やケースの中をチェックして、ギアがダメージを受けていないことを確認してください。
また、ギアルームの壁に将来のプロジェクトの地図をいくつか貼っておくとモチベーションをキープできるので、お試しあれ。