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女性用シュラフと男性用シュラフはなにが違うのか?

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暖かいのが好きな人がいれば寒いのが好きな人がいるように快適に眠れる温度は人によって変わりますし、好みの寝方も様々。横向きで寝るのが好きな人がいれば、寝相も気にせずのびのびと眠りたい人も、シュラフにぴったり収まって寝たい人もいるでしょう。
そのため、誰もが快適にアウトドアの夜を過ごせるように、NEMOでは様々なサイズのシュラフやインシュレーション(保温材)を用意しています。

シュラフによって様々なサイズやスペックはありますが、「男性用」や「女性用」といったような性別によりカテゴリー分けされたシュラフは意外と少ないです。その中で「NEMOにはなぜ男性用と女性用のシュラフがあるのか?」とお思いの方もいるでしょう。男性用も女性用も同じ機能が備わっている「ディスコ」を例にお答えしていきます。同じ機能でも、重要な違いがあるんです。

まず、両者の主な違いは「サイズ」にあります。女性用シュラフ「ディスコ™ W’s」は身長168cmまでの方にフィットするサイズ感になっています。一方で男性用シュラフである「ディスコ™ Men's」は身長183cmまでの方が快適に使用できるように設計されています。男性と女性はそもそも体格も違うわけですから基準が違うのも当然です。

男性用と女性用モデルの最大の違いは、使用されている保温材(中綿)の量です。これが両者の違いの中でも一番重要な点です。女性用のシュラフは平均的な女性が、男性用のシュラフは平均的な男性が、それぞれ快適に眠れるかどうかに重点をおいて開発しています。同じシュラフを使って女性、男性にそれぞれ眠ってもらった場合、「女性の方がより寒く感じる」といわれています。このように女性と男性では寒さの感じ方に違いがあり、それに合わせてシュラフも最適化する必要があるのです。
女性用シュラフには男性用シュラフより多くの中綿材を使用します。そのため女性用の方が重くなったり、収納サイズが大きくなったりする傾向があります。
ディスコを例に女性用・男性用の違いについて説明しましたが、具体的にどれくらい差があるのかは下記のとおりです。

ディスコ™ 15 (W's)を男女がそれぞれ使った際に、何度だと快適に眠ることができる?

ディスコ™ 15 (W's)を男性が使用した際に、快眠できる平均外気温は-17℃
ディスコ™ 15 (W's)を女性が使用した際に、快眠できる平均外気温は-9℃

ディスコ™ 15 (Men's)を男女がそれぞれ使った際に、何度だと快適に眠ることができる?

ディスコ™ 15 (Men's)を男性が使用した際に、快眠できる平均外気温は-10℃
ディスコ™ 15 (Men's)を女性が使用した際に、快眠できる平均外気温は-4℃

同じ「ディスコ15」でも男性用と女性用ではこれだけ快適に眠れる温度が異なります。

シュラフの気温設定を決める「規格」について

NEMOのシュラフはすべてISO23537規格のテストを受け、それに準じて快適温度や下限温度の設定をしています。このISO23537規格というのは簡単に言えば欧州発のシュラフの統一規格です。
快適温度や下限温度と言った気温設定をメーカー各社で独自に計測、設定するのではなく、一つの基準のもと性能評価することで、ユーザーがより選びやすいようにする試みです。
なお、ISO23537規格に準拠しているNEMOシュラフの温度設定は、「使用者が長袖の下着と帽子を着用」した上で、「テント内で断熱性のあるマット」を使用した場合の想定温度となります。

女性用シュラフの温度設定(「このシュラフは◯◯℃対応のシュラフ」というときの「◯◯℃」のこと)をする場合、女性が快適に眠れるかどうかを基準に評価されており、それをT-comfort(快適温度)と呼びます。一方で男性が快適に眠れるかどうかを評価する基準はT-Limit(下限温度)と呼びます。
つまり女性用はT-comfort(快適温度)の値を、男性用はT-Limit(下限温度)の値をシュラフの気温設定とするのです。
少しわかりにくいので例を出すと

ディスコ™ 15 (Men's)は、T-Limit(下限温度)が-10℃、T-comfort(快適温度)が-4℃です。男性用の評価基準はT-Limitになりますので、T-Limitの-10℃に近い-9℃対応のシュラフとして販売しています。
もしこのディスコ™ 15 (Men's)を女性用として販売するとしたら、女性用の評価基準はT-comfort(快適温度)になりますので、-4℃対応のシュラフとして販売することなります。

もう一例を出すとディスコ™ 15 (W's)は、T-Limitが-15℃、T-comfortが-9℃です。女性用の評価基準はT-comfortになるので、-9℃対応のシュラフとして販売しています。
もしこのディスコ™ 15 (W's)を男性用として販売するとしたら、男性用の評価基準はT-Limitになるので、-15℃対応のシュラフとして販売することなります。

このように男性よりも女性の方が「より暖かい」基準をもとに温度評価されている理由は、女性の方が夜間に体内温度が下がりやすい、という特徴のためです。つまり夜間に寒さを感じやすい女性が、安全に快適に眠れるように、男性と違って「より暖かい」温度評価を基準にしているわけです。そして、そのためには男性用シュラフよりもより多くの中綿が女性用シュラフには必要となります。同じ「ディスコ」でも、男女で重量や収納サイズが変わる理由はここにあります。

シュラフの温度設定の表記について注意しなければいけないこと

このようにNEMOでは男性でも女性でも十分に安心してお使いいただけるように製品開発を行っています。ですが、この気温設定について注意が必要です。
シュラフに記載された温度は快適な温度の目安ではありますが、すべての人に完璧に当てはまるわけではありません。
どのくらい快適に眠れるか、暖かく過ごせるかどうかは、いろいろな要素の影響を受けます。
例えば「どんな服装で眠るのか」や、「シュラフの下に敷くマットの性能」、「夕食に何を食べたか」、「その人が寒さに強いか暑さに強いか」などです。これらの要素によっては表記の気温でも寒くも暑くも感じる可能性があります。

ISO23537規格は世の中にたくさんあるシュラフを比較しやすく、選びやすくしてくれる便利な表記ですが、必ずしも「自分のキャンプスタイル」にピッタリあっているかどうかを保証してくれるものではありません。あくまで目安としつつ、その時々のコンディションに合わせて工夫をしながら使うことを心がけましょう。
また、就寝時の寝姿勢や寝返りが自然にできるかどうかや肌触りなど数値に表せない快適性は実際にシュラフの中に入って動いてみないとわかりません。NEMOは様々な用途や好みに合わせたシュラフを用意していますので、店頭でその快適性を試してみてください。
NEMOシュラフのラインナップはこちらからご覧いただけます。

 

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