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テント内の結露を最小限に抑えるコツ

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ご存知の通り、テント内の結露はキャンプで一番厄介なものです。「結露がどのようにして起こるのか」からその防ぎ方までを学ぶことで、より快適にキャンプを楽しむことができるでしょう。今回は結露発生のメカニズムから、結露の防ぎ方についてご紹介していきます。

すべてのキャンパーの大きな悩み「結露」はどのようにして起こるのか

まず、結露がどうやって起こるのかについて解説していきます。
空気中には水分が水蒸気の状態で存在していますが、空気中に保持できる水蒸気の量には限度があります。空気中の水蒸気がその限度に達した状態を「飽和状態」と呼びますが、これを天気予報でおなじみの言い方をすると「湿度100%」になります。
ちなみに、この湿度は相対湿度(RH)と呼ばれ、簡単に言えば「飽和状態を100%として、それに対して今はこれだけの水蒸気を空気は含んでいますよ」というのを表す指標です。また、この空気中に含んでいられる水蒸気の限度は気温によって変わり、冷たい空気は暖かい空気よりも水蒸気を保持しにくい特徴があります。

そのため暖かい空気が冷やされると、暖かい空気のときは保持できていた水蒸気の一部が保持できなくなり、その水蒸気が液体に変化します。これが結露のメカニズムです。また、結露が発生する際の「この気温になったら空気中の水蒸気が水滴に変わる」気温を露点と呼びます。

どういう状況だと結露が起きやすいか

では、具体的にどういうときに結露が起きやすいのか。例えば、日中は日もさして暖かく、日が陰ると寒くなる秋や冬。日中は暖かいので、より多くの水蒸気を空気中に保持できますが、夜になり空気が冷やされると保持しきれない水分が出てきます。このとき、空気中の水蒸気の総量は変わりませんが、保持できる水蒸気の限界が減り、相対湿度が高くなります。そして、露点に達したときに、水蒸気が水滴になり、結露が起こるというわけです。

気温と湿度以外の条件として風が挙げられます。風が吹いていればテントの中に外気が入り込み、テント内外の気温差が少なくなり、テント内の湿気が外に排出されます。しかし、風がなければテント内外の空気の循環がおこりません。その結果、テント生地付近で暖かい空気が外気によって冷やされ、テント生地に結露が発生してしまうのです。

以上のことから結露は、

  • 気温が低い
  • 湿度が高い
  • 無風

の条件が揃ったときが最も発生しやすいと言えます。つまり、昼夜の気温差が大きく静かな夜は結露が起こりやすいので注意が必要です。

また、「テントの生地や構造」も結露の発生に影響を与えます。例えば、ベンチレーション(水蒸気を外に逃がす換気機能)がないテントや、透湿性(雨は通さないが、中の湿気は逃がす性能)が低い生地を使用したテントなどでは、内側に結露が一気に溜まりやすいです。他にも、氷点下や激しい雨が続くような環境ではより結露が増加しやすいです。また、気圧の低下も原因のひとつで、例えば高地になればなるほど結露しやすくなります。

結露の原因

  • 呼気に含まれる水分(ひと晩で500mlペットボトル1〜2本分)
  • 汗や着用している衣服から蒸発する水分
  • 地面からの湿気
  • 周辺環境の影響(湖や川に近い場所は特に空気中の湿度が高い)
  • テント付近で調理することで発生する蒸気
  • 標高の上昇(標高上昇に伴う気圧の低下)
  • マットの下の地面が冷たい

どういうテントが結露しやすい?

テントの構造によっても、結露のしやすさが変わってきます。
そもそもの話として、テントを大きく分けると、ダブルウォール(テント本体+フライシート)とシングルウォール(テント本体のみ)の2カテゴリーになります。
両者を比較するとダブルウォールに比べて、シングルウォールはテントの中の空気の入れ替えが苦手で、結露しやすいテントと言えます。
このように、シングルウォールテントでキャンプを楽しむ場合は、空気の循環や給排気を考えながらセットアップする工夫が必要になります。
NEMOのシングルウォールテントは結露対策のための様々な工夫を施しています。一例として空気の流れを考慮した位置へのベンチレーションを取り付けています。また、本体生地に防水透湿性素材を使用したモデルもあります。

結露しにくいテント設営のコツ

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  • テント本体をしっかりとペグで固定して、ガイラインでテンションをかける。
    結露に強いテントの設営方法でいちばん大事なことは「テントにしわを寄せないように設営する」ことです。まずテント本体の4隅をしっかりとペグダウンします。フロアにしわが寄らないように注意しましょう。
    また、フライシートにはガイラインを取り付けられられるようにループ(ガイアウトポイント)がついています。これらを利用してしっかりとガイラインでテンションをかけます。テント4隅のペグダウン同様に、しわが寄らないようにするのがポイント。こうすることで、テント表面に雨粒や結露の水分が溜まりにくくなり、テント生地が本来持つ防水・撥水性能を十分に発揮できます。その結果、テントをドライに保ちやすくなるのです。
  • 自然の力を利用しよう(風を味方につける)
    多少の風があるような場所に設営するのも結露対策になります。風が穏やかなときであれば、一番大きなベンチレーションを風上側に設置することで、よりテント内の換気がしやすくなります。風が強いときはテントの短辺を風上に向けることで、風に備えながらも換気をすることができます。
  • テント下部から上部へと温かい空気が通り抜けるイメージで換気をすると結露がしにくくなります。
  • NEMOテントには「ベントストラット」という機能がついたテントが多くあります。ベントストラットとはフライシートのジッパーの上部や、屋根近くのベンチレーション部分にある短い支柱のことで、これによって雨が降っている時でもテントの中を濡らさずに換気を促すことができます。
  • また、濡れた道具をテント内で乾燥させるのも結露の原因になります。
    もし朝にテント内が結露していたら、完全に乾燥させてから撤収しましょう。もし完全乾燥ができない場合でも、可能な限りタオルや吸収性のある素材で水気を拭き取ります。自宅での保管のコツは、収納袋から出して、風通しの良い場所に吊るすこと。カビや生地の劣化を防げます。
  • テントの内側が濡れているのに気づいたらこまめにタオルなどで拭き取っておきましょう。テント生地の内側が乾いている方が、水蒸気を効率よく逃がすことができます。なお、よくある俗説として「雨が強い時にテントの壁や天井に触れると生地を通して水が中に入ってきてしまうというものがありますが、これは完全に間違いです。
 

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