LOWA FootprintsLOWAが誇る “保温力” を実証！

LOWAが誇る冬山用登山靴 “アルパインエクスパート” シリーズが初めて発表されたのは2019年。その後のマイナーアップデートで2021年からは現在の “アルパインエクスパートII GT” として販売が継続され、日本の冬山登山シーンで支持され続けるベストセラーとなっています。履きやすさ、歩きやすさもさることながら、高所用の特殊なダブルブーツ等を除き、一般的な冬山用登山靴としての圧倒的な暖かさが人気の秘密です。

その断熱性、保温性を実現しているのが、LOWA社がその開発時に “DOUBLE IS BETTER” として決して譲ることのなかったGORE-TEX®とPRIMALOFT®の二重断熱構造です。

現在発売されている多くの冬山用登山靴は、断熱素材をライニングし一体化したGORE-TEX®を使用して必要な保温力を得ています。しかしLOWAでは、GORE-TEX® (350g/m2) に加えてグローブやジャケットの保温材としても有名なPRIMALOFT® (400g/m2) を二重構造でライニングしており、両者を合わせた断熱材の総重量はなんと750g/m2にも及びます。一般的なシングルレイヤーのGORE-TEX®断熱材が480g/m2であることを考えると、およそ1.5倍以上の差です。

さて、このカタログスペック上の差が実際に冬山の過酷な環境下で一体どのような差になるのでしょうか。今回、私たちは社内で実証実験を行い、その実力を確かめてみることにしました。

[実験1] 断熱性能の比較

安定した暖かい室温下で、靴内部から冷気の漏れを計測します。靴の内部にビニール袋で密封した総重量750gの氷水を収め、その表面温度をサーマルカメラで捉えます。

実験時の室温は22℃。氷水の投入する直前の様子です。左側がGORE-TEX®断熱材のみを搭載した一般的な登山靴、右側がLOWAアルパインエクスパートII GTです。

同時に氷水を投入してから10分後 (左画像) と20分後 (右画像) の様子です。それぞれ右側のアルパインエクスパートII GTに比べて、左側、GORE-TEX®のみの登山靴では明確に内部の冷気が靴の表面にまで伝わってしまっていることが見てとれます。特に足の甲や側面で顕著ですね。

この差は30分が経過した後も縮まることはなく、両者の間で差が開く一方となりました。冬山用の登山靴における断熱材の重要性がお分かりいただけたかと思います。

【実験2】 保温力の持続性の比較

冬山における使用時の環境を再現します。人の足に見立てた37℃のお湯 (750ml) を温度計と共にビニール袋に密封し、靴の内部に収めます。その状態で靴の外部を氷で満たし、時間の経過にともなう靴内部のお湯の温度変化を計測します。

人の足と異なり、靴の内部に収めたお湯は継続的に熱 (体温) を発する訳ではありませんが、靴を介して外部の氷に奪われる熱量 (湯温) を疑似的に “足の冷え” として数値化して計測します。

実験では22℃の室温環境下で継続的に40分間の計測を行いました。下記グラフでは、その計測データを青線: GORE-TEX®断熱材のみの一般的な冬山用登山靴、緑線: アルパインエクスパートII GTで示しています。

こちらも結果は一目瞭然です。冷たい氷の中に靴を置いた状態では、40分後、両者の間には2℃以上も “足の冷え”に差が生じています。実際に冬山で雪や氷の中に足を埋めながら歩く際には、外気温の低さも相まって今回の実験以上の熱が奪われているものと考えるのが妥当でしょう。こうして実際に数字を目にしてみると、冬山で足の置かれる環境がいかに過酷か、そして足先の保温についてどれだけ注意しなければいけないかを改めて認識できるのではないでしょうか。

GORE-TEX®に加えてPRIMALOFT®を重ねることで最大限の保温性能を追求したLOWAのアルパインエクスパートII GTは、過酷な冬季登攀に挑むアルパインクライマーだけでなく、足元の冷えが気になる初心者の方にも安心して履いていただける保温性能を誇ります。

近年の冬山人気の高まりと共に “雪山入門” として入山者が爆発的に増加している八ヶ岳や中央アルプスは、そのアプローチの容易さとは裏腹に気象条件が非常に厳しいフィールドのひとつです。厳しい低温や積雪にさらされる冬の登山にこそ、万全の装備で挑みたいものです。

今回の実験を基にLOWAアルパインエクスパートII GTが気になった方は、是非お近くの専門店でお試しいただければと思います。

• ※ 足先の冷えは、登山靴使用時の環境や着用しているウェア、また個人差により実際の感じ方が異なります。
• ※ 本記事、またLOWAアルパインエクスパートII GTは、製品使用時の凍傷予防を保証するものではありません。
•   冬山登山に際しては個々に十分な防寒対策を実施し、寒冷障害の予防に努めてください。