LOWA Footprints“バックパッキング” を再定義する新鋭シューズ
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2024年の春、新たにLOWAのラインナップに加わった〈ランディア〉は、現代のバックパッカーのニーズに応えて最新技術とモダンなデザインを融合させた、ライトウェイトなバックパッキングシューズです。近年では数少なくなってしまった、フル装備を背負って長い距離を歩くためのサポート性にすぐれたハイカットシューズとして、意欲的なバックパッカーの足元をサポートします。
歩くための靴と登攀のための靴は同じではない
近年の登山靴、トレッキングシューズ市場を見渡してみると、そこで展開されている3シーズン用の製品は大きく分類すると二極化が進んでいるように感じます。
ひとつは、ヨーロッパアルプスなどの険しい岩山を攀じ登るための登山靴から発展を遂げた、いわゆるライトアルパインブーツの系統。そしてもうひとつは、トレイルランニングのスタイルをも取り入れながら急速に進化をとげている、ローカットシューズも含めた “トレイルシューズ”。前者が基本的にフレックスの硬いミッドソールと高い足元のサポート性能を根拠に重装備での縦走登山等に選ばれているのと同時に、装備の軽量化を追求したハイカーの方にはより軽く、柔らかく、足運びの軽快さを追求したトレイルシューズが受け入れられつつあるのかもしれません。
しかしながら、LOWAは本来その両者の間には、常に “足元をしっかりとサポートしつつ、適度なクッション性やフレックスをもつハイカットのトレッキングシューズ” が存在するべきであると考えています。
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登攀のための登山靴から派生したシューズは、本来かかとからつま先までを順に接地させて足を転がすような “歩行” に最適化された設計にはなっていません。岩場での立ち込みのために硬く設計されたソールも、歩行時の足の自然な蹴り出しを阻害してしまいます。
また、足運びの軽快さが最重要視されたトレイルシューズは時に足首を保護、サポートするミッドカットないしハイカットですらなく、トレイルランニング用のシューズ同様にローカットモデルとして提案されます。装備も軽量化を突き詰めた脚力のあるベテランハイカーであればそのような靴が最適解となることもありますが、大多数の方にとっては決してそうではないケースの方が多いはずです。
現代の “バックパッキング” のニーズ
とはいえ、これまでのいわゆる “トレッキングシューズ” は、耐久性こそ高いものの非常に重く、20-30kgもの重荷を担いで歩くのであればまだしも、現代の軽量化がすすんだ装備でのバックパッキングには、いささか過剰性能ともいえる重厚さのものがほとんどでした。
近年の装備であれば、極端に軽量化を追求した構成ではなくとも、一般的な週末、1泊2日のテント泊程度の登山であれば15kg前後、荷物が重い方でも20kgをわずかに超える程度に収まるのではないでしょうか?そのくらいの荷物の重さであれば、片足あたり1kg近くもあるような重厚なトレッキングシューズで足元をガチガチに固める必要はないかもしれません。
今、求められているのはきっと、クッション性や適度なフレックス、そして軽さを “ちょうどいい” ポイントでバランスさせた、歩くためのディテールを突き詰めたシューズなのではないでしょうか?
LOWAが誇る最新鋭のディテールを惜しみなく投入
そんな、歩くための “ちょうどいい” を目指して設計された〈ランディア〉には、675g (メンズUK8・片足) という軽さの中に、近年LOWAが培ってきたトレッキングシューズづくりのノウハウ、そして最新鋭のディテールを惜しみなく搭載しています。
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これまでの多くのLOWAトレッキングシューズと比較したときにまず目立つのが、つま先側に増設されたシューレース用のアイレットです。足型や使用シーンのニーズに応じて、より細やかなフィット感の調整ができるようになっています。
LOWAトレッキングシューズの定番ともいえる、タング上でシューレースを交差させるように固定することで歩行中のタングのズレを予防する “X-レーシング” 、足首部分のフックでシューレースを固定することで前足部と足首のホールド感を個別に調整することができる “2ゾーン・レーシング” などももちろん健在です。
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アウトソールにはラグの深いVibramソールを採用しており、特にやわらかい路面の多い日本のトレイルシーンで強力なグリップを発揮します。
ミッドソールにはLOWAが独自に開発したDynaPUが採用されており、一般的な素材のミッドソールに比べて長期間にわたる使用を経ても製造当初の高いクッション性能が持続します。
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特に前足部には強めのロッカー構造を採用しており、ヒールの接地からつま先での蹴り出しまで、スムーズな足裏の重心移動をサポートします。この “歩行” のためのロッカーソールは、岩場での細かなスタンスへの立ち込みのためにつま先に大きなロッカー構造を設けることのできないライトアルパインブーツとの最大の違いかもしれません。
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従来のLOWAトレッキングシューズと比較すると200g近くも軽量でありながら、現代のバックパッキングのニーズには十二分に応える〈ランディア〉。荷物の重さや歩きのスタイルなど、このバランスが “ちょうどいい” という方は少なくないはずです。ぜひ一度ご自身のスタイルを振り返ってみていただき、このバランスに心地よさを感じられそうだという方は是非お近くの販売店にてチェックしてみてください!