安全にご使用いただくために
1. ガス燃焼器具の基礎知識
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ガスストーブ (こんろ) のしくみ
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ガスランタンのしくみ
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ガス燃焼器具とガスカートリッジの接続のしくみ
PRIMUSのガス燃焼器具は、ガスカートリッジにねじ込んで接続します。燃焼器具が接続されていない状態では、ガスカートリッジ内部の弁が自動で閉鎖し、ガスが漏れ出ることはありません。燃焼器具を接続すると、燃焼器具の栓に内蔵されたピンがガスカートリッジの弁を押し下げ、ガスを利用することができるようになります。栓の開閉、またガス流量の調整については燃焼器具のつまみを回転させてコントロールします。
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ガスカートリッジの種類と選び方
IWATANI-PRIMUSのガスカートリッジには、高い圧力をかけて液化されたガスが充填されています。ガスカートリッジによって充填されているガスの種類や混合率が異なり、使用できる環境等に差が生じます。
ガス燃焼器具が適切に動作するためには、基本的には液化されて充填されているガスが気化した状態で燃焼器具に供給される必要があります。ガスカートリッジに充填されている様々な種類のガスには、それぞれ気化することのできる最低温度 (気化温度) があり、ガスカートリッジ内の温度が気化温度よりも低いときには液化されたガスが気化することができず、燃焼器具はガスカートリッジからガスの供給を得ることができなくなります。
液化ガスは気化する際に周囲の熱を奪うため、ガスカートリッジ内部の温度は必ずしも使用環境の外気温とは一致しません。長時間にわたりガスを気化させ続けたガスカートリッジ内部の温度は、周囲の外気温よりもはるかに低くなっている場合もあります。
たとえば、外気温が5℃の環境で気化温度-0.5℃のノルマルブタンが100%の割合で充填された “G” タイプのガスカートリッジを連続燃焼させた場合、ガスカートリッジ内部の温度は気化熱の影響を受けて-0.5℃を下回り、内部にまだ液化ガスが残っているにも関わらずガスカートリッジからガスが出てこなくなるというケースがおこり得ます。気温の低い高山帯や寒冷地、また寒い季節に使用する際には、より気化温度の低いイソブタン (-11℃) やプロパン (-42℃) を高い割合で混合した “T” タイプのガスカートリッジの使用をおすすめします。 -
ご注意ください。PS-LPGマークのない製品
日本国内で販売されるカートリッジガスこんろは法令「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)」により義務付けられた安全基準や検査に適合した製品であることを示す【PS-LPG】マークの表示が義務付けられています。
この検査は適合検査と呼ばれ、国に登録された第三者検査機関によっておこなわれています。
適合検査ですべての項目の基準を満たしていることが確認されたもののみに合格が与えられます。
日本国内ではこのマークが無い商品を販売することは違法のため、例えPRIMUSブランドであってもマークの無い商品の修理・アフターサービスを当社で承ることはできません。
ご購入に際してはマークの有無をご確認くださいますようお願いいたします。 -
日本国内で販売されているPRIMUSブランドのガス燃焼器具には、法令上かならずIWATANI-PRIMUSのガスカートリッジを使用する必要があります。
液化石油ガス法により定められた安全基準や検査においては、すべて同一の規格に基づいて製造された、同一メーカーのガス燃焼器具とガスカートリッジを組み合わせた状態でテストが実施されます。したがって、たとえ正しく接続できたように見えたとしても、別々のメーカーから異なる規格に基づいて発売されている燃焼器具とガスカートリッジを組み合わせての使用においては、常にガス漏れや不完全燃焼のリスクがあります。万一の事故に際しても、生産物賠償責任保険が適用されません。
一部においてIWATANI-PRIMUSのガスカートリッジが使用可能であると謳い海外のガス燃焼器具を輸入販売しているケースも確認されていますが、IWATANI-PRIMUSではそのような燃焼器具との併用について一切の安全確認や動作保証を行っておりません。
IWATANI-PRIMUSのガスカートリッジは、PS-LPGマークを取得した日本国内で正規に販売されているPRIMUSブランドの燃焼器具以外には使用しないでください。 -
ガスカートリッジへのガスの再充填は、手段やツールを問わず法令により禁止されています。
ガスカートリッジへのガスの再充填行為は、法的には [ ガス製品の製造 ] に該当します。無関係の第三者がガスカートリッジへの再充填が可能であると謳う器具を販売しているケースも確認されていますが、PRIMUSならびにIWATANI-PRIMUS製品はガスが再充填されることを想定していないため、再充填時にはガス漏れや爆発のリスクがあります。
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お客様ご自身でのガス燃焼器具の修理や改造は行わないでください。
ガス燃焼器具の各部品は非常に精密に作られています。ガス燃焼器具の改造や非公式の修理は、器具の能力を低下させ得るだけでなく、不完全燃焼や異常燃焼、ガス漏れ等の重大な事故を引き起こす原因となる可能性があります。製品に不具合が生じたと思われる場合には、お買い求めになった販売店ないし最寄りのPRIMUS製品の取扱店、或いは直接弊社までご相談ください 。
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ガスカートリッジは可能な限り使い始めから2〜3年で使い切ってください。
ガスカートリッジに充填されているガスそのものは経年変化せず、特に使用期限も定められていません。しかしながら、ガスカートリッジの容器や弁に使用されている金属や樹脂、ゴム等の素材はサビや経年劣化を生じるため、正しく保管されている場合でも最長で製造から7年以内を目安に使いきっていただくことを推奨します。サビや劣化の進行したガスカートリッジは、ガス漏れ等の重大な事故につながり得るリスクを生じます。
個々のガスカートリッジの製造年月日は、缶底に印字された英数字でご確認いただけます。 -
ガスカートリッジを保管する際には、必ず燃焼器具 (バーナーやランタン等) を取り外し、キャップをつけた状態で保管してください。
ガス燃焼器具とガスカートリッジの接続部は、非常に精密な構造となっています。長期にわたりガス燃焼器具とガスカートリッジを接続したまま保管されていると、不意の衝撃や圧力による接続部の破損や変形、また部品のサビや経年劣化から意図せずガス漏れ等を生じる可能性があります。 ガスカートリッジを保管する際は、燃焼器具を取外し、接続部内部にホコリ等が入り込まないよう専用のキャップを装着してください。
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ガスカートリッジは、航空法により航空機への持込が禁止されています。
チェックイン、キャリーオンいずれの手荷物であっても航空機にガスカートリッジを持ち込むことはできません。フライト中の外気圧の変化によりガスカートリッジの耐圧性能の限界を超え、大事故につながるリスクがあるためです。搭乗時にガスカートリッジを携行されていた場合、製品の没収、ないし搭乗そのものがキャンセルされる可能性があります。
個々のケースの対応について詳しくは各航空会社の相談窓口までお問合せください。 -
ガスカートリッジは、旅客船法により旅客船への持込が禁止されています。
ガスカートリッジの日本国内における船舶輸送は、特別な許認可を受けた危険物専用の貨物船でのみ可能です。個々のケースの対応について詳しくは各船舶会社の相談窓口までお問合せください。
また海外への船舶輸送については、輸出貿易管理令により経済産業大臣の認可が必要です。当認可について詳しくは経済産業省までご相談ください。認可が得られた場合の船舶輸送については、対応する船舶会社までお問合せください。 -
ガス燃焼器具は、屋内、テント内、車内など狭く十分な換気ができない閉鎖空間では使用しないでください。一酸化炭素中毒によりユーザーを死に至らしめる可能性があります。
ガスの正常な燃焼には、大量の酸素を必要とします。狭く閉鎖された空間で使用すると、正常な燃焼に必要となる酸素は極めて短い時間で消費され尽くします。酸素が不足した環境での燃焼は不完全燃焼となり、一酸化炭素を生成します。一酸化炭素は空気とほぼ同じ重さで、無色、無臭、無刺激のため発生を感知することが非常に困難です。屋内、テント内、車内等において不完全燃焼に起因する一酸化炭素が発生した場合、閉鎖空間内のユーザーは本人が気付く前に中毒症状により意識を失い、最悪の場合には死に至るリスクがあります。
テント等、必ずしも “密閉” されていなくとも、燃焼に伴う大量の酸素消費に見合う換気量が得られない閉鎖空間であれば、不完全燃焼は容易におこり得ます。 -
ガスカートリッジは、法令により40℃以下の場所で保管することが義務付けられています。
ガスは圧力と温度に大きな影響を受け、その状態を変化させます。高圧、低温環境ではガスは液化し、低圧、高温環境においてガスは気化します。常圧、常温環境下のガスは本来であれば気体の状態ですが、ガスカートリッジ内部のガスは高い圧力で液化され、鋼鉄製のカートリッジがその圧力を保持することでガスは液体の状態を保っています。このガスカートリッジが外部から加熱されると、内部のガスが気化しようとする内圧が急激に高まり、その圧力がカートリッジの耐圧性能を超えると爆発事故につながる可能性があります。
日光の直射を受ける車内 (トランク等を含む) や屋内へのガスカートリッジの放置は、たとえ短時間であってもガスカートリッジを急激に加熱し、危険な爆発事故を引き起こす可能性があります。ガスカートリッジは適切に温度が管理された常温環境下、または冷暗所にて保管してください。 -
ガス燃焼器具を炎天下や焼けた砂浜の上、河原の石の上、舗装道路上等で使用しないでください。
外気温の高い環境下や、路面温度の高い砂浜や河原の石、舗装道路上等にガスカートリッジを設置して使用すると、ガスカートリッジ内部のガスが加熱されることでカートリッジの内圧が急激に高まり、状況によりカートリッジの耐圧性能を超えて爆発する可能性があります。
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ガス燃焼器具を風防、積み石、天ぷらガード等で囲わないでください。
ガス燃焼器具を屋外で使用するにあたり、風で炎が消えてしまうのを防ぐために風防、積み石、天ぷらガード等で燃焼器具の周囲を囲うと、燃焼時に生じる熱が拡散されずに囲いの内部に滞留し、ガスカートリッジを加熱してしまう可能性があります。ガスカートリッジが加熱されると内部のガス圧力が急激に高まり、カートリッジの耐圧性能を超えて爆発する可能性があります。
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バーナーをセラミック製品、鉄板、焼き網やスモーカー (燻製器) で使用しないでください。
調理用のセラミック製品、鉄板、焼き網、スモーカー (燻製器) 等は、使用時に非常に多量の熱を蓄積すると同時に、輻射熱を放出します。この輻射熱がガスカートリッジを加熱してしまうと、内部のガス圧力が急激に高まり、カートリッジの耐圧性能を超えて爆発する可能性があります。
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単一の大きな調理器具に対して複数のバーナーを並べて使用しないでください。
複数のガス燃焼器具を近接させて並べ、その上に単一の大きな調理器具を載せて使用すると、各燃焼器具の炎が相互にガスカートリッジを加熱してしまいます。ガスカートリッジが加熱されると内部のガス圧力が急激に高まり、カートリッジの耐圧性能を超えて爆発する可能性があります。
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バーナーを炭の火熾しに使用しないでください。
ガス燃焼器具の炎で加熱され着火された炭は非常に高温になります。炭を燃焼器具のゴトクの上に置く等の状態で加熱すると、炭が発する輻射熱で逆にガスカートリッジを加熱してしまいます。ガスカートリッジが加熱されると内部のガス圧力が急激に高まり、カートリッジの耐圧性能を超えて爆発する可能性があります。
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残量の有無に関わらず、ガスカートリッジを火気や熱源の近くに置かないでください。
ガスカートリッジ内部の圧力は、ガスの残量に関わらず常に一定です。新品のガスカートリッジも、ほとんど使いきったガスカートリッジも同じです。使いきったつもりのガスカートリッジでも、ほんのわずかに内部にガスが残っているだけで、そのガスカートリッジが加熱されてしまった場合には重大な爆発事故につながる可能性があります。
ガスカートリッジは、ガス残量の有無、多少に関わらず、常に火気や熱源から遠ざけ、適切に温度が管理された常温環境下、または冷暗所にて保管してください。 -
ガス燃焼器具のご使用時には、燃えやすいものとは上方1m以上、水平方向に30cm以上の距離を保ってください。
屋外で使用するガス燃焼器具の炎は常に風による影響を受け揺らいでおり、また燃焼により生じる熱は特に上方向に強い影響を及ぼします。意図しない引火等を防ぐために、ガス燃焼器具のご使用時には周囲の可燃性のものから上方1m以上、水平方向には30cm以上の距離を保ってください。
テントの前室やキャンプサイトのテーブルクロスの上等は、代表的な引火リスク環境です。 -
ガス燃焼器具は必ず平坦な場所で水平に設置してご使用ください。
ガス燃焼器具のご使用時には、必ず平坦な安定した場所に設置し、燃焼器具の水平を保ってください。不安定な場所で使用していて燃焼器具を転倒させてしまうと、ガスカートリッジから通常時とは異なり液状のままのガスが噴出することで非常に大きな炎を生じ、周囲のものへの引火、やけど、大規模な火災等の事故を引き起こす可能性があります。
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ガス燃焼器具が点火された状態で持ち運ばないでください。
ガス燃焼器具が点火された状態で器具とカートリッジを持ち運ぶと、運搬時の揺れによってはガスカートリッジ内部の液化ガスが揺動し、液状のままのガスが噴出してしまう可能性があります。液体のまま噴出したガスは瞬時に大きな炎を生じるため、周囲のものへの引火、やけど、大規模な火災等の事故を引き起こす可能性があります。
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バーナーやランタンなどを、暖房など本来の目的以外の用途に使用しないでください。
閉鎖空間の暖房や衣類の乾燥等を目的としてガス燃焼器具を使用しないでください。閉鎖環境での使用は酸素不足に起因する一酸化炭素中毒等を引き起こす可能性があり、また衣類の乾燥等を目的として着衣を炎に近づける行為は引火事故、やけどにつながる可能性があります。
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ガス燃焼器具にガスカートリッジを装着する際には、必ず周囲に火気が存在しないことを確認してください。
ガス燃焼器具とガスカートリッジを接続する際には、たとえ正しく作業をおこなったとしてもタイミングによってはわずかながらガスが漏れる場合があります。その際に周囲で燃焼中の他のガス器具やたき火、タバコ等の火気があると、漏れ出たガスに引火し重大な事故につながる可能性があります。
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ガス燃焼器具にガスカートリッジを装着する際には、必ず器具栓を閉じた状態で垂直に保持して作業してください。
ガスカートリッジ内部は、平坦な場所で正立して静止しているとき、下部に液化ガスが、上部に気化したガスが溜まった状態で安定しています。この状態でガス燃焼器具を取り付けると、場合によりわずかに漏れ出るガスは気化したガスであるため大きな問題になる可能性は皆無です。
しかしながら、ガスカートリッジが斜め、横、下を向いた状態でガス燃焼器具を取り付けると、通常時と異なり内部の液化ガスがそのまま噴出してしまう場合があり、その際の周囲の状況によっては不安定な大きな炎を生じ重大な事故を引き起こす可能性があります。
また取り付け作業は、必ず事前に器具栓が完全に閉じていることを確認してから行ってください。 -
ガス燃焼器具とガスカートリッジの接続時は、接続ネジを必要以上に強く締めすぎないように注意してください。
ガス燃焼器具とガスカートリッジの接続部は、非常に精密な構造となっています。必要以上に強い力でねじ込んでしまうと、燃焼器具の栓に内蔵されたピンやガスカートリッジ内部の栓が破損し、点火時に正常に燃焼しない、燃焼器具とカートリッジを取り外した際にガスが止まらなくなる等の不具合の原因となります。
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ガスカートリッジを落としたり、振ったりした直後は十分に注意してご使用ください。
ガスカートリッジを誤って落下させた直後、また残量確認等の目的で軽く振った直後等はガスカートリッジ内部のガスの状態が不安定です。そのままの状態で使用すると、通常時とは異なり液状のままのガスが噴出する可能性があり、大きな炎を生じることで周囲のものへの引火、やけど、大規模な火災等の事故を引き起こす可能性があります。
ガスカートリッジに大きな衝撃や振動が加えられた直後はできる限りガス燃焼器具を使用せず、2-3分ほど水平な場所に置いて内部のガスが安定した頃合いを見計らってから使用を開始してください。
なお、上記の現象は特に外気温が高い場合、また新品のガスカートリッジを使用する際に発生しやすくなります。 -
特定のバーナーと組み合わせて使用することを前提とした高熱効率のシステムポット (鍋) を、その他の燃焼器具で使用しないでください。一酸化炭素中毒によりユーザーを死に至らしめる可能性があります。
過去のPRIMUSも含めた複数のブランドから製造、販売実績がある、鍋底に効率よく熱を吸収するためのフィンを備え、専用のバーナーと組み合わせて使用することを前提としたシステムバーナーの専用ポット (鍋) は、同梱される専用のバーナー以外の燃焼器具と組み合わせて使用すると非常に高濃度の一酸化炭素を生じる場合があります。
いかなる高熱効率のポットも、同梱される専用バーナー以外の燃焼器具では使用しないでください。
2. PS-LPG 規制について
3. ガスカートリッジの保管と輸送について
4. 換気の必要性について
5. ガスカートリッジの加熱の防止について
6. バーナーの取扱いについて
トラブルに際し、まずご確認いただきたいこと
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使い切ったガスカートリッジや、中途半端にガスが残ってしまったガスカートリッジを廃棄処分したい。
使わなくなったガスカートリッジは、必ず中身のガスをすべて使いきり、お住まいの各自治体の指示にしたがって廃棄してください。
カートリッジを軽く振ったときに「シャカシャカ」、「サラサラ」と音がする場合には、中にまだガスが残っています。ガス燃焼器具をカートリッジに接続し、点火した後に火が消えるまで使いきってください。ガスがカートリッジ内に残ったまま廃棄すると、ゴミ収集車内でのガス漏れに起因する火災や爆発事故の原因となる恐れがあります。
具体的な廃棄方法については自治体毎に異なりますので、お住まいの自治体の市役所等にお問い合わせください。 -
圧電点火装置のボタンを押してもガス燃焼器具に着火しない。
圧電点火装置の点火ボタンを押すことはできるものの燃焼器具に点火できない、スパーク (火花) が確認できないというケースには、いくつかの理由が想定されます。
- 気温がおよそ5℃を下回ると、圧電点火装置は放電能力が低下し、正常に動作しにくくなります。低温環境下から暖かい環境に移動した際に正常に動作している場合は、故障ではありません。
- 標高の高い場所では燃焼に必要となる酸素量が少なくなるため、燃焼器具は点火しにくくなります。高所環境下から標高を下げた際に正常に動作している場合は、故障ではありません。
- 雨や結露、調理時の吹きこぼれ等により燃焼器具が湿っている場合には、乾くまで点火しにくくなります。器具が十分に乾いた後に正常に動作している場合は、故障ではありません。
- 点火操作時に器具栓つまみを大きく開け、大量のガスを放出している場合には、点火装置のスパーク (火花) がガスの噴流に負け、点火しにくくなります。より多くのガスを勢いよく出せば点火しやすくなる訳ではありませんので、点火操作時には最低限のつまみ開度で点火した後、お好みの開度、火力に調整してご使用ください。
- 圧電点火装置の電極とガス燃焼器具の火口との距離が、何らかの要因で適切ではなくなっている場合には、その距離を調整することで点火しやすくなることがあります。このケースが疑われる場合には、製品をお買い求めいただいた販売店、またはお近くのPRIMUS製品の取扱店を通して点検、修理をご依頼ください。
ガス燃焼器具の圧電点火装置は、いつでも、どんな環境下でも確実に動作する機構ではありません。ガス燃焼器具の点火不良がただちに大きな問題となる環境でのご使用を予定される場合には、必ず別途マッチやライター等といった予備の点火装置を携行してください。
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圧電点火装置のボタンを押すことができない。もしくは、ボタンを押してもカチカチと音がしない。
この場合には、圧電点火装置が破損していることが疑われます。製品をお買い求めいただいた販売店、またはお近くのPRIMUS製品の取扱店を通して点検、修理をご依頼ください。
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ガス燃焼器具を使用していると、出力 (火力) が徐々に低下してしまう。
ガス燃焼器具の出力 (火力) は、主にご使用時の外気温とご使用のガスカートリッジの種類の影響を受け変動します。”G” (ノーマル) タイプのガスカートリッジをご使用の場合にはおよそ5℃、”T” (ハイパワー) タイプのガスカートリッジをご使用の場合にはおよそ-5℃を下回ると、カートリッジ内の液化ガスが気化することができなくなり徐々に火力が低下します。低温環境下から暖かい環境に移動した際に出力が回復する場合には、故障ではありません。
ガスカートリッジの残量、ご使用時の外気温とご使用のガスカートリッジの種類の組み合わせにも問題がないにも関わらず、頻繁に顕著な出力の低下が起こる場合には弊社までご相談ください。 -
ガス燃焼器具とガスカートリッジを接続し、火力調整つまみを開いてもガスが出ない。
ガス燃焼器具のノズルの目詰まり、またはガスカートリッジの接続時に強く締め込みすぎたことでカートリッジのバルブヘッドを破損させてしまっている可能性があります。
問題のガス燃焼器具に対し新しいガスカートリッジを接続して問題なくガスが出る場合には、燃焼器具の故障ではありません。以後、ガス燃焼器具のご使用に際してはカートリッジ接続時のトルクにお気を付けください。
新しいガスカートリッジを接続してもガスが出ない場合には、ノズルの目詰まりが強く疑われます。製品をお買い求めいただいた販売店、またはお近くのPRIMUS製品の取扱店を通して点検、修理をご依頼ください。 -
ガス燃焼器具とガスカートリッジを取り外すと、ガスカートリッジからガスが噴出し止まらなくなった。
カートリッジ内のパッキンの劣化が疑われます。
接続されていたガス燃焼器具を再び接続することでガスの漏出は止められます。燃焼器具を接続し、ガスの放出がコントロールされた状態で残りのガスを使いきってください。 -
家族や知人から、古いPRIMUS製品を譲り受けた。 / 長期間 (5年程度) 使用していなかったPRIMUS製品を再度使用したい。
ガス燃焼器具は、ご購入後、または最後のご使用から5年を経過したものについてはご使用前に点検を実施してください。
製造後10年が経過している製品については、安全上の懸念がありますのでご使用の取りやめ、お買替えをご検討ください。
生産、およびサポートを終了している製品一覧については、こちらからご確認ください。ガス燃焼器具の内部には、ガス漏れ防止のためのゴム製の部品が使用されていたり、各部品のスムーズな動作のためのグリスが塗布されていたりします。これらはご使用の頻度に関わらず時間の経過と共に劣化が進行し修理不可能な安全上の懸念を生じるため、PRIMUSブランドのガス燃焼器具においては製造後およそ10年を目安にご使用の取りやめとお買替えをおすすめしております。
なお、ガスカートリッジとの接続部に使用されているOリングについては、ご使用頻度に関わらず1-2年毎の交換をお願いしております。接続の度にストレスにさらされる箇所でもあり、およそ2年ほどで経年劣化が進行し硬化、ひび割れ等が発生したOリングをそのまま使用していると、該当箇所からのガス漏れ等が生じる可能性があります。
歴代のPRIMUS製品と、それぞれの製品に対応する交換用Oリングの一覧はこちらからご確認ください。