このページでは、当社商品の情報や使い方のヒントをはじめ、当社スタッフが体験したことや出展したイベント、当社アドバイザーやサポートアスリートの情報を掲載しています。
鍋底に吸熱フィン(ヒートエクスチェンジャー)を付け、コンロの炎の熱を効率よく吸収し、湯沸かしのスピードを上げるという商品が市販されていることが分かりました。当社は燃焼器具メーカーとして当該の鍋を使用しての燃焼は、不完全燃焼を引き起こす恐れがないか確かめるため社内で試験を行いました。結果的に当該の鍋をアウトドア用こんろ等を使用することで一酸化炭素を多く排出するケースがあることが分かり、2020/9/11に当社ウェブサイト上で注意喚起 https://www.iwatani-primus.co.jp/information/info_20200911.html を行ったところです。
当社では、上記の通り、吸熱フィン付きの鍋が、使用するこんろを指定せずに市販されていることに懸念し、当該の商品と当社こんろ、または市販のアウトドア用こんろを使い、当社のラボで燃焼中の排ガスを検証しました。
鍋の外周に取り付けられた吸気管から燃焼の排ガスを取り込み、測定器で酸素、二酸化炭素、一酸化炭素の値を測定しました。
規定の計算式で求められる「CO%」の値は、写真のような通常の鍋と組み合わせて使用した時、CO%=0.14%以下ということが定められています。日本で販売されるこんろは、全てこの数値とこのほか多くの基準に適合しなくては販売ができないことになっています。適合した製品にはPS LPGマークが付与されています。
今回の実験で、当該の鍋をセットして、当社こんろ3機種、また他社様のこんろ1機種を使用して検査したところ、多くの一酸化炭素が排出されていることが分かりました。
今回の検査はあくまで簡易検査のため、公的機関で行う検査とは異なる数値ですが、当社製こんろと当該の鍋との組み合わせで、通常の鍋での燃焼に比較して、一酸化炭素の排出量は数倍から約20倍程度、他社のこんろと当該の鍋の組み合わせでは、最大40倍程度もの一酸化炭素が排出されていることが分かりました。
燃焼には充分な酸素が必要です。こんろは炎の回りからも酸素を取り入れる必要があり、この酸素の取入れが阻害されると不完全燃焼が起こり、一酸化炭素が発生するということになります。
当社では、当該鍋が市販されていたこと、また、調査の結果、海外メーカーの同等の商品がインターネット等を通じ販売されていることから、関係機関とも連携し、安全についての注意喚起を行うことといたしました。
皆様におかれましては、吸熱フィン付きの鍋、やかんなどは安全が確認されていない他のこんろと組み合わせて使用しないようご注意ください。
なお、市販されていた当該の鍋はすでにメーカーによって自主回収がなされています。
販売元のmuracoブランド発売元の株式会社シンワ・ムラコ事業部様とは、今回の燃焼に関する当社の懸念を共有してもらい、今回のテスト結果をお伝えしたところ、同社では上記の回収を即座にご判断されました。同社とは、今後もアウトドア用品の安全使用に関する情報交換をすることにいたしました。
ご注意
・Primusこんろは、屋外使用専用です。室内、車内、テント内では絶対に使用しないでください。写真は、検査を目的としているためラボ内で行っています。実際の使用に当たっては、室内では使用しないでください。
・検査に関しては、検査員が一酸化炭素を吸わないよう十分に留意して行いました。
ご参考
一部メーカーで、吸熱フィンを採用した鍋とこんろがセットで販売されていますが、PS LPGマーク付きのものは、その鍋とこんろの組み合わせで適合性検査が行われ、合格済みのものが販売されています。