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まるでオーダーメイドのように
体にフィットしてくれる!

ドイター/フューチュラプロ 38 SL

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文:髙木律子(登山ガイド)

本ページの内容は商品インプレッション記事のため、使用者個人の感想を含んでおります。

  • photo 槍・穂高連峰の大展望が魅力の常念岳~燕岳コース

北アルプス・常念岳の一ノ沢ルートは、はじめは沢沿いを進む、木漏れ日が気持ちの良い登山道です。いくつかの木橋を渡ったり、”胸突八丁”と呼ばれる急登があったり、針葉樹林帯に入ってからは休憩できるベンチが出てきたりと、変化に富んでいます。

一ノ沢ルートのように標高差が1,000mもあるような長い登りでは、バックパックと背中の間に熱がこもってたくさん汗をかくことがあります。

その点、フューチュラプロは背面にメッシュパネルがあり、両サイドと下部の3方向から常に空気が通るので、暑いときでも背中に蒸れを感じることがほぼありません。おかげで快適に歩くことができ、登山中の疲労がだいぶ軽減されたと感じています。

  • photo 背中とバックパックの間に空気が通り、ムレを防いでくれるデザイン(撮影:小林正英)

稜線上に出た常念乗越からは、燕岳に向けて、いくつかのピークを越えてアップダウンを繰り返しつつ歩きます。槍・穂高連峰の絶好の展望台ともいえ、眺めの良い稜線歩きがこのコースの醍醐味。夏の間はコマクサを中心に、何種類もの高山植物を楽しむこともできます。

  • photoチシマギキョウ
  • photoコマクサ
  • photoミヤマキンバイと大天荘

ただし、途中には急傾斜の段差や岩がゴロゴロ転がっているような箇所もあり、縦走する際はある程度の基礎体力や脚力、バランス感覚も必要となります。

登山中のバランス保持と疲労予防のために、バックパックを自分の体にフィットさせておくことはとても重要です。ヒップベルト、ショルダーストラップ、チェストストラップ、この3箇所はしっかりと締めて適正に調節しておきましょう。

調節が合っていないと、バックパックの重みで歩行中に体が左右に振られるような感覚になることがあり、その不安定さから疲れが増してしまうこともあるのです。使い心地の良いバックパックを選び、さらに自分の体に合うように調整することは、登山ではとても大事なのです。

  
  • photoアップダウンの大きいコースほど、バックパックが体にフィットしていることが重要になる(撮影:小林正英)

フューチュラプロ38 SLは、ショルダーストラップの付け根が左右に動いて、肩のカーブに自然に沿うようにデザインされています。また、38リットルという中型容量のわりに、かなりしっかりしたヒップベルトが付いていて、腰を包み込むようにホールドしてくれるので、荷物の重さを感じにくく、背中と一体化するようにフィットしてくれるのも安心感が高いところでした。

このヒップベルトには、体の動きに合わせて付け根が動く「バリフレックスシステム」という機能が採用されています。

このため、上体が大きく振られてもバックパック自体は振られにくく、長い時間でも安定して歩くことができます。適度な弾力と剛性を備えている背面メッシュパネルが、背中を抱き込むようにフィットしてくれるのも、安定感の一因かと思います。

燕岳がだんだん近くなってくると、花崗岩の割合が増してきます。白く個性的な奇岩が多く見られるようになり、青空とハイマツとのコントラストはまさに自然の造形美。

最後のひと登りを終えると、いよいよ燕岳山頂です。天気が良ければ周囲360度に大展望が広がり、歩いてきた登山道も一望できます。今までの苦労が報われる瞬間です。

  • photo燕岳が近づいてくると、白く明るい花崗岩が目立ってくる(撮影:小林正英)

この夏は、燕岳や唐松岳など、フューチュラプロ38 SLを北アルプス登山で何度も使いました。まるでオーダーメイドのように体になじみ、背負い心地の良さを実感しています。すっきりした外観のわりに、小物を収納するポケットがいくつも備えられていて、トレッキングポールホルダーやレインカバーなど、山で使用頻度の高い機能が豊富なのも使いやすいところです。

  • photo赤いバンジーコードがトレッキングポールホルダー
  • photo水筒などを入れられるサイドのメッシュポケットをはじめ、濡れたレインウエアなども入れられる大型のフロントポケットなど、収納は豊富。しかもこの容量で2気室構造

全体的に縦長のスリムなデザインで、シックなカラーリングで汚れが目立ちにくいところもお気に入りのポイント。北アルプス縦走にも低山ハイキングにも、幅広く使えるバックパックです。

photo髙木律子(たかぎ・りつこ)
20代後半から登山を始める。尾瀬でトレッキングガイドの仕事を経験し、お客さんがとても喜んでくれたことに自分自身も感激したことが、ガイド業へ進むことになったきっかけ。夏期は北アルプスや八ヶ岳、尾瀬を中心に登山やトレッキングのガイドを行なう。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、信州登山案内人、尾瀬認定ガイド。長野県白馬村在住。

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